2009年3月31日火曜日

Jリーグ各クラブの経営状況

最近、個人的にJリーグのクラブ経営に関する研究をしています。

面白いことに各クラブはほとんどの場合、株式会社の形態を取りながら
過去に配当を行ったクラブ(企業)はないようです。
それだけ株主からも社会(地域)貢献が求められていると
いうことだと思います。


Jリーグでは毎年各クラブの経営状況を発表しています。
ちょっと古いデータですが・・・

2007年度(平成19年度)Jクラブ個別経営情報

上記07年度の経営状況では、J1には18クラブありますが、
その内資産超過なのは、わずか5クラブしかなく
13のクラブは債務超過に陥っています。
しかも5クラブは営業赤字の状態です。

昨今の不況の煽りで、5クラブはユニフォームのスポンサーが
ないままリーグ戦が幕を開けている状態のようです。

今期は間違いなく、広告料収入が減少するでしょうし、
より一層経営状況が厳しくなります。

Jリーグの中でも一番収入が高いのは浦和レッズの約80億円。
各クラブは、知名度や地域の貢献度は多大でも
財政規模ではまだまだ中小企業の域を出ません。


浦和レッズの収入(約80億円)の内訳は、以下のとおり。
広告料収入 : 約24億円
入場料収入 : 約30億円
Jリーグ配分金  : 約8億円
その他: 約12億円

J1在籍18クラブの平均(収入合計約33億円)
広告料収入 : 約15億円
入場料収入 : 約7億円
Jリーグ配分金  : 約3億円
その他: 約7億円

浦和レッズはスタジアムもいつも満員になっているだけあって、
入場料収入が30億円とJ1の中でもダントツです。
そして、入場料収入が広告料収入を上回っているのも浦和レッズだけ。

広告料収入に頼っている他のクラブは、今年は更に苦しい年になりそうです。

やはり入場料収入を軸にして、広告料収入に頼らない収入構成にしなければ、
経営の安定化を図ることは難しいのだと思います。

そういう意味でも社会貢献でどれだけ地域に根を張って、
多くのサポーターやファンを獲得できるかが大きな経営課題だと考えます。
地道な作業ですが、なんらかの形でサッカーやクラブとのつながりを
持つような仕掛けや仕組みが必要なのでしょう。

今は、それほど財務体質の強さとチームの強さはイコールになっていませんが、
更に経営状況が厳しくなることによって、選手の年俸などにもより大きく
影響が出るでしょうし、財務体質によって格差が広がると推測します。
マリノスが中村俊輔をセルティックから呼び戻せなかったのも
不況が関係しているとか聞きますし・・・。

行政に携わった経験があり、現在、中小企業のコンサルティングを
している私としては様々な組織とコワークすることでコラボレーションが
できるとかなり具体的にイメージが湧いてきます。

例えば、以下のようなこと。
・海外に姉妹クラブ締結により交換留学制度、国際交流の実現
・地元中・高等学校のブラスバンド部による試合前の前座
・スタジアム内部の壁に絵画などを展示
・スタジアム前に企業の新商品モニターの実施
・選手や監督を使って商店街の販促活動
などなど。

要は、如何に普段サッカーやクラブと関わりのない人と
関係を構築できるのか、その仕掛けや仕組みが作りが
地域に根の張った幅広いサポーター作りになると考えます。

それによって多様で堅い収入源の確保につながるはずです。
今後もJリーグ研究は続けていきたいと思います。


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